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展覧会
抵抗を縫う——チリのキルトにおける触覚の物語


1.開催趣旨
本展覧会は、南米チリのアルピジェラarpillera運動を紹介するものです。ピノチェト政権下のチリでは、拡大する貧富の格差に苦しみ、また夫や息子が行方不明となった女性たちが、身近にあった布切れを集めてメッセージ・アートを作り、自分たちの生の実態を国内外に伝える活動をおこなっていきました。このアルピジェラ製作のムーブメントは、日常生活のなかで経験される政治問題や、女たちの抵抗、およびアートを通じた社会メッセージの発信など、こんにち関心を集めるトピックの数々に多くの示唆を与えてくれるものです。

本展は、世界各地でアルピジェラ展を開いてきたロベルタ・バシックさんをゲスト・キュレーターに迎え、1970年代〜1980年代に作られた作品を中心に、約40点を展示します。日本では触れる機会の少ないアルピジェラをじっさいに目にする貴重な機会となるでしょう。


2.会期・会場
 日時:2010年10月12日(火)〜16日(土)
 会場:大阪大学総合学術博物館(豊中キャンパス、アクセス
    入場料無料、期間中休館日なし
    開館時間 10:30〜17:00(入館は16:30まで)


3.展示構成・出品作品例
日々の生活  抵抗と非暴力運動   人権侵害に抗するメッセージ  国際的なひろがり


「苦境には皆で」
チリ、作者不明、1983年
Photo by Martin Melaugh (c) Roberta Bacic


「孤独なクエカ」
チリ、作者不明、1980年代後半
Photo by Colin Peck (c) Roberta Bacic


「カインよ、あなたの弟はどこにいるのか」
チリ、作者不明、1983年ごろ
Photo by Martin Melaugh (c) Roberta Bacic


「大飢饉」
アイルランド、デボラ・ストックデール作、2009年
Photo by Colin Peck (c) Roberta Bacic


4.関連イベント
期間中にイベントを開催します。すべて無料、事前申込不要です。

 ■ ガイド・ツアー(英語、日本語通訳付)
 ゲスト・キュレーターが展示中の作品の背景について解説します。
 日時:10/12(火) 14:00〜15:00
    10/13(水) 14:00〜15:00
    10/16(土) 11:00〜12:00
 ほかアポイントメントにより随時。希望者はご相談ください。

 ■ ラウンドテーブル「アルピジェラにおけるコンテクストの痕跡」
  会場:大阪大学総合学術博物館3階セミナー室
  日時:10/16(土) 13:30〜16:00
  講師:ロベルタ・バシック氏(本展ゲスト・キュレーター、英語講演、日本語通訳付)
  コメンテーター:太田昌国氏(現代企画室編集者)
          北原恵氏(大阪大学)


5.主催組織・連絡先
 主催:大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際教育研究拠点」
 共催:大阪大学総合学術博物館
 協力:大阪大学21世紀懐徳堂

 企画:酒井朋子
 コーディネート:久保田美生、廣川和花
 チラシ・ポスターデザイン:沢村有生
 カタログ・パネルデザイン:嶺倉豊
 協力:石田峰洋、内藤順子、古川岳志、米田千佐子、渡邉亜由美ほか

※連絡先
 展示:酒井朋子(email: saktomo10@gmail.com、tel: 06-6879-4046)
 会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館(tel: 06-6850-6284)


チラシ(A4両面)  ポスター(A3)