大阪大学大学院人間科学研究科グローバルCOEプログラム コンフリクトの人文学国際研究教育拠点

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国際ワークショップ

旅する比較―科学と技術に関する民族誌的省察

Travelling Comparisons: Ethnographic Reflections on Science and Technology




日時: 7月20日 13:00~                
会場: 大阪大学人間科学研究科 ユメンヌホール
     http://www.hus.osaka-u.ac.jp/access/access.html
言語: 発表は英語、討論は英語・日本語で行います。  

要旨
 本ワークショップは、人類学にとって欠かせない手法である「比 較」を再検討する試みである。人類学はその成立当初から比較の営 みと分ちがたく結びついてきた。人類学者はフィールドで目にした ものを母国から持ち込んだ常識やフィールドの他の物事と比較し、そこに差異と類似を見いだしていく。一方、こうした比較の作業は 人類学者が観察する人々の実践の一部でもある。本ワークショップ では、科学技術の実践に焦点を当てて、異なる種類の比較が生み出す複雑な関係を考察していく。
 科学技術は、比較の複雑さを考える上でとくに興味深い現象である。グローバル化が進む今日、人類学者がフィールドで出会う科学 者、機械工、医師、農民たちは自分たちの活動を他の国や地域の活 動と頻繁に比較している。こうした比較の中で、科学と技術はグローバルな人とモノの移動と結びつき、多面的な様相を帯びて立ち現れる。さらに、そこでは、社会や文化についての人類学的な比較 も重要な役割を果たしている。
 人類学者は人々が比較をとおして作り出すこの複雑な世界をいかにして描き出すことが出来るのだろうか。比較と、人とモノの移動 が生み出す結びつきはどのように関係しているのだろうか。また、 この中で民族学による比較はどのように位置づけられるのだろう か。本ワークショップでは、日本の科学技術についての民族誌と日本人による海外の科学技術の民族誌の関係に注目して、比較につい ての新しい視点を生み出すことを目指している。

タイムテーブル
13:00
・春日直樹(大阪大学) 「開会挨拶」
・モハーチ・ゲルゲイ(東京大学) & 森田敦郎(大阪大学)
 「イントロダクション:民族誌的対象としての比較と科学」
・アンダース・ブロック(コペンハーゲン大学)
 「Comparative Globalities:アクターネットワーク理論と日本のクジラのトポロジー」
・ライアン・サイヤー(エール大学)
 「想定外を想定内にする:防災専門家による確実性 のもてあそび方」
15:00 休憩
15:15 
・森田敦郎(大阪大学)
 「引き出された比較:タイ土着の機械工業における機械の移動と生成する関係」
・モハーチ・ゲルゲイ(東京大学)
 「サラリーマンと行方不明のホルモン、およびその他の代謝干渉物」
16:45 休憩
17:00 
・アナリーズ・ライルズ(コーネル大学)  「総合コメント」 討論

コーディネーター: 森田敦郎、モハーチ・ゲルゲイ
問い合わせ先: moritaa


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